『クリニック』の診察費用。結構、知られていない保険の種類、窓口自己負担。
●ほとんどの患者さんは、『国民健康保険』か、『社会保険』に加入しています。
⚪︎会社勤務の方は『社会保険』、自営業の方は『国民健康保険』と考えて良いです。
⚪︎『クリニック』を受診する際、『保険証』を提示しないと、保険診療を受けることができません。
→保険証がない場合、『自由診療』と呼ぶ『全額自己負担診療』になるので、気をつけましょう。
⚪︎通常、3割負担がほとんどなので、100円の医療を受けると、30円の支払いで良いということです。
→『自由診療』だと、100円丸々、自分で支払わなければなりません。後で記載しますが、『自由診療』は相当に高くなります。
→『クリニック』、『病院』の診察費用だけではなく、薬代も『全額自己負担診療』なので、かなり辛いです。
→風邪でも、『全額自己負担診療』だと、診察費用:5000円、薬代:3000円弱、軽く一万円札がトビます。
⚪︎障害のある方、生活保護を受けておられる方、母子(父子)の方は、医療費の窓口負担が免除されています。
⚪︎65歳以上の方を『前期高齢者』、75歳以上の方を『後期高齢者』と呼びます。(国が勝手に付けた呼び名です。年齢で強引に分けています。)
・70歳以上からは、『高齢受給者証』という証明書が発行されます。
・75歳以上からは、『後期高齢者』となり、『社会保険』からも切り離されます。
⚫︎75歳以上の方は、医療費の窓口負担は、1割です。(年収に応じて自己負担が増えます。)
⚫︎75歳以上の方で、年収200万円以上の方は、2022年10月から、医療費の窓口負担は、1割から2割に増えます。
今まで、月に1回、高血圧の診断でクリニックに通院していた患者さんは、1割負担で490円だった窓口のお支払いが、2割負担980円になります。
(再診療、処方箋料、特定疾患指導管理料を算定して、血液検査、検尿検査など、何も検査をしない場合の額です。『クリニック』によって、多少、金額は変わりますが、ほとんど同じはずです。)
(多少、値段が変わるのは、薬局で内服薬をジェネリック医薬品に変更できるように処方箋を発行してもらうと、『一般名加算』5点=50円、割り増しになりますし、施設基準を満たしている『クリニック』だと『〇〇加算』ってのが付くので、自己負担が10円〜100円の幅で上下します。)
◉2022年10月から、75歳以上の方は、自己負担が1割から2割に増えます。
→よく、患者さんから『病院は儲かって良いね』って言われますけど、勘違いです。
今まで)患者さん自己負担:1割、国から9割支払われる。総額10割。
→今後)患者さん自己負担:2割、国から8割支払われる。総額10割。医療機関に入ってくるお金は同じです。
鬼の厚生労働省、2022年10月からの自己負担変更については、コチラです→https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=2ahUKEwiIzdboybj2AhWNs1YBHePgAcsQFnoECAcQAQ&url=https%3A%2F%2Fwww.mhlw.go.jp%2Fbunya%2Fshakaihosho%2Firyouseido01%2Finfo02d-37.html&usg=AOvVaw2bQVNVg0gFrWvS0CTn9Dw0
患者さんが多いクリニック、困っていないクリニックの風邪の診察料金。
●風邪、下痢、膀胱炎などの感染症で『クリニック』を受診する時、受け付けでのお支払いに注意して下さい。
●適正な医療を行う場合には、受付窓口でのお支払いは、ほとんど同じです。(薬局で支払う薬代は別です)
1)風邪、下痢、膀胱炎などの感染症で受診した患者さんから、医療費を搾取しようと考えないから。
2)肺炎、気管支喘息、腎盂腎炎など、感染症を重症化させている疑いが無い以上、必要な検査がありません。
例1)咳が出る患者さんの殆ど全員に胸部レントゲン検査を行う『クリニック』
例2)下痢の患者さん殆ど全員に点滴を行う『クリニック』
例3)熱がある患者さん殆ど全員に血液検査を行う『クリニック』
例1)〜例3)のような『クリニック』を受診すると、受け付けでのお支払いが無茶苦茶に高くなります。
→敢えて言えば、こういう『クリニック』は受診しない方が良いです。明らかに過剰医療です。
保険の請求、厚生局の指導を数多く見てきましたが、やはり、風邪、下痢、膀胱炎などの患者さんを適正に診療している『クリニック』は、値段が殆ど同じです。
◉2〜3日前から咳、喉、微熱が出る。『クリニック』を初めて受診した場合。
初診料 368点
・処方箋料 68点 一般名加算 5点 合計:73点
診察して、薬を処方するだけだと、
・全ての合計点数:441点 1点=10円ですので、医療費=4410円
保険によって自己負担は違いますが、3割負担の方が多いですので、3割負担の想定だと
4410円×3割=1323円 お支払いは切り捨てなので、1320円。
(保険証が無い場合には、『全額自己負担』なので、4410円です)
・診療時間外や、祝祭日に受診すると、『早朝深夜等加算』、『休日加算』などが付きます。
・『コロナウィルス抗原検査』、『PCR検査』は、『公費(国が支払う)』なので無料です。
・処方箋を持って、薬局に行き、薬を受け取る際には、薬代が必要です。
●『クリニック』を受診して、1320円を支払うのが高いか?安いか?
●ドラッグストアで、診察無し、病名不明、治るか分からないのに、結構、高い薬を買うのは、不思議です。
●病院が嫌いなら仕方がありませんが、市販の風邪薬を飲んでも治らず、『クリニック』に来られるのなら、最初から来院した方が良いと考えています。
◉風邪薬は、1週間分、処方しています。これも先生によって違います。
→心配だから3日分処方して、もう一回、来院させる→小児科であれば、病状が変わりやすいので、理解できます。
→心配でも、7日分処方して、治りが悪かったり、悪化するようなら、また来院ください、の方が親切だし、妥当でしょ。
→だって、もう一回、受診すると、『再診療』がかかるし、3日分の風邪薬を2回貰うと、薬局でも『手数料』取られて、割高になりますから。
→1週間分処方が断然、患者さんの為だと考えています。(考え方は医者それぞれだから正解は無いです。)
◉初診の風邪、下痢、膀胱炎の患者さんに対して、不要なのに、血液検査、点滴などを行うから、『クリニック』を受診すると『お金がかかる』と患者さんが勘違いする。
◉初診の風邪、下痢、膀胱炎の患者さんから、搾り取ろうとする『クリニック』は、存在価値が無いので、潰れて構いません。
◉風邪、下痢などで『クリニック』を初診。3割負担で受付での支払いが2000円を超えると、割高です。
『熱が下がらない』、『咳がひどくて寝ることができない』、『息苦しい』などの症状があれば、患者さんに検査の必要性を説明して、『インフルエンザ検査』、『胸部レントゲン検査』、『血液検査』などを行います。
不要なのに検査を行なったり、説明せずに検査を行うことはないので、窓口のお支払いが2000円〜4000円程度になっても、文句を言われたことはありません。
さらに、しっかりと説明して治療した患者さんは、ほとんどが『かかりつけ患者さん』になられますし、『ご家族』も『かかりつけ患者さん』になります。
風邪、下痢などの際には、ドラッグストアで市販の風邪薬を買うより、『クリニック』を受診した方が、時間、労力、感染悪化リスクなどを考えて、『割安で安心』と評価されているのでしょう。
●逆に、風邪、下痢の患者さんから、ボッタクリを行なっている『クリニック』は、『かかりつけ患者さん』が増えず、延々と同じことを繰り返しています。
◉ポイントは、『風邪の際の受付の支払い金額』と『風邪薬の日数』です。