お金に色はついていない。ようやく気づく始末です。
⚫︎「お金に色はついていない」ので、在宅訪問診療で5000円を稼いでも、ワクチンで5000円を稼いでも同じ5000円と気づきました。
インフルエンザワクチンは毎年ですが、肺炎球菌ワクチン、帯状疱疹(生ワクチン)は、5年に1回です。
毎年、必ず接種するインフルエンザワクチンは、ストックビジネスと呼んで良いと思います。当院は、毎年、400人〜500人程度の方にインフルエンザワクチン接種を行なっています。貴重な収入源です。
・かかりつけ患者さん、ご家族のインフルエンザワクチン接種。
・警察署、税務署など嘱託先の職員さんのインフルエンザワクチン接種。
・行政、医師会職員さんのインフルエンザワクチン接種。
上記のワクチン接種を積極的に獲得しているので、今後も徐々に増やして行きたいです。
○インフルエンザワクチンの原価:1650円
○インフルエンザワクチン接種代:5300円
◉インフルエンザワクチン1接種当たりの利益:5300円ー1650円=3650円 500人×3650円=182万5千円の純利益。大きな利益です。
インフルエンザワクチン接種の具体的な利益は、こちらです→https://町医者の博打と投機と良い医療.com/clinic-open/インフルエンザワクチン%E3%80%80情報を活用し、勝利宣/
ただ、5年という長期間で1度接種するワクチンに関しては、ストックビジネスとは呼びにくいです。しかし、5年に1度、接種する意欲がある患者さんは貴重です。5年後の接種が漏れないようにカルテにしっかりと記載しています。
・ストックビジネスは、中止するまで利益が出続けるという点が特徴なので、ワクチンより在宅訪問診療の方がストック性が強いです。
・しかし、こちらから出かけて行って利益を生み出す訪問診療は、時間、労力、精神的負担、訴訟を含めたリスク、全てが辛いです。
◉何とか、楽して稼ぐ方法は無いのか?と考えるようになってしまいました。
●利益率が恐ろしく高い血糖測定を開始しました。
糖尿病の患者さんは、血液検査の頻度が多く、利益率が高いです。また、インスリン製剤を使用し、自宅で血糖測定を行なっている患者さんですと、管理料が加わって高点数となります。
・糖尿病の患者さんに対し、診察の度に血液検査を行うと、「毎回、検査をする」、「血液検査ばっかり」と悪評の元となり得ます。毎月の検査が嫌だから、検査頻度の少ない当院に転院して来られる患者さんも居られます。
・当院の糖尿病患者さんは、レセプト換算:180枚です。全体は850枚程度なので、糖尿病患者さんの割合:21%です。
・当院では、糖尿病のコントロールが著しく悪くない限り、血液検査の頻度は、4ヶ月〜6ヶ月毎です。
●血液検査の頻度が少ない分、血糖測定を行うように努力しています。
⚪︎指先から血糖を測定する:生化学検査判断料を算定できる。約1700円の利益。(原価、ほぼゼロ)
血糖測定は、デキスター測定10秒以下で分かります。心電図検査や検尿検査と比較すると、コスパ最強だと気づきました。
測定の多い日は、1日10人以上、指先からの血糖測定を行います。
⚪︎血液検査の間隔が長いので、予期せぬ高血糖や低血糖を見つけるために行う。患者さんのためになる。
⚪︎検査時間が短く、手間も少ない。原価はゼロに近い。利益率:100%に近い。
⚪︎1日10人行うと、単純に1万7千円の利益。週30人の測定:約5万円、月:約20万円。原価がゼロに近いので、純利益20万円ということ。
⚪︎医療医事務さんの時給:1200円前後なので、血糖測定の破壊力は相当です。ピッと測定する行為が、医療事務さんの1時間の労働力という現実は、寧ろ、恐ろしいです。
●自分のことです:循環器内科を専門にし、大学病院から逆紹介されたアミロイドーシスや、癌の終末期の患者さんを在宅訪問診療で看取ったり、膠原病治療などを積極的に受け入れていると、思考がドツボってしまいます。
・忙しく働いているから正義である。
・救急、在宅での看取り、重症患者さん、癌の終末期を診ているから素晴らしい。
・時間が無いのは世の中から必要とされている証拠。
この思考回路に嵌ってしまうと抜け出せなくなって、ストレスが溜まります。しかも、この考えは、ただの自己満足です。どうせ、自己満足に浸るなら、楽して自由な時間を持ちたい、という考えに到達しました。
⚪︎時間は無制限にあるわけではないし、1人で診療できる患者さんの数には限界がある。
⚪︎逆紹介や、重症患者さんの受け入れるには限界がある。
⚪︎タフ、自分は特別だと考えていても、年齢には勝てない。肉体的、精神的に無理が効かなくなる。
⚪︎訪問診療、癌の看取りなどを積極的に行なっていたが、コスパを考えると、他の業務を伸ばすべきと感じた。
忙しく突っ走ってきました。かかりつけ患者さんをストックビジネスとして取り込み、在宅訪問診療まで行っています。今後は、経営の効率化、業務の多様化が必要と考えました。
◉年商1億2000万円のクリニックだが、さらに売り上げを増やすために必要なこと。
◉働く時間は同じか、現在よりも少なくして、売り上げを増やす方法。
◉時間と労力を最小限にして、売り上げを伸ばす。コスパ重視。出来ることなら、何もしないで売り上げを上げたい。
「オマエ、なめてんのか?」と怒られるかもしれませんが、医者も人間なので、可能な限り無理はせず、楽に働きたいと望むはずです。
新クリニックへ移動し、完全バリアフリー、宣伝広告を充実すると、おそらくレセプト枚数は、現在:850枚から50枚〜100枚は増えると考えています。
ただ、レセプト枚数が増えるということは、忙しくなるので、長期処方をしつつ、高単価医療かつ時間と労力を限りなく抑えるべきと考えました。
今更かな?と考えましたが、開業して直ぐにこの考えに至っても、在宅訪問診療も看取りも救急もしないのであれば、患者さんは増えなかったと思うので、安定期に入ってから行うことかもしれません。
帯状疱疹ワクチンを開始。肺炎球菌ワクチンの価格の見直し。
●無い頭を絞って出たショボイ回答:帯状疱疹ワクチンを開始する。
実は、帯状疱疹の治療は、訴訟リスクが高いです。年に数件、帯状疱疹関連のトラブルが医師会に持ち込まれています。
・帯状疱疹後神経痛は、説明が不充分であるとトラブルに発展しやすい。
・皮膚科医ではないし、周囲に皮膚科のクリニックがある。
以上の理由から、ご高齢で皮膚科受診が困難かつ、推測ながら「トラブルのリスクが高くない方」に対して、アメナリーフ、リリカなどを処方して治療を行なっていました。(初診の帯状疱疹は、必ず、皮膚科に紹介)
マスコミの報道、かかりつけ患者さんの高齢化、シングリックスの宣伝などから、
⚪︎かかりつけ患者さんから「帯状疱疹ワクチン」の問い合わせが急増した。
⚪︎シングリックス(不活化ワクチン、2回接種、1回:2万円以上)は、値段から導入を断念。
患者さん数人に尋ねたところ、シングリックスは、「ちょっと、高いですね」という反応。
○帯状疱疹弱毒生ワクチンを導入しました。
⚪︎周囲のクリニックの価格:8000円〜10000円(税別)
⚪︎仕入れ価格:4980円
◉当院の帯状疱疹ワクチン:9000円(税込)
同時に、長期間、価格改定を行なっていなかった肺炎球菌ワクチンの価格を見直しました。
○肺炎球菌ワクチンの仕入れ価格:4500円
⚪︎従来の肺炎球菌ワクチン:6500円を9000円(税込)へ大幅値上げ。
ブラック評)価格調査を行っておらず、周囲のクリニックのワクチン費用を電話攻撃で調べまくりました。
先生方は、しっかり経営されていて感服しました。
・内科でも外科でも、帯状疱疹に対してワクチンを行っている。
・価格の改定を行い、気が付いたら当院だけ取り残されていました。
帯状疱疹のワクチンを開始したり、肺炎球菌ワクチンの値段を上げたり、血糖を測定して、大きな利益になるわけではありませんが、コツコツと頑張ります。
クリニック経営、見えないお金を発掘するは、こちらです→https://町医者の博打と投機と良い医療.com/clinic-open/__trashed/