クリニック開業まで1ヶ月。準備が加速しています。
◉クリニックが建ち上がると、内装準備が忙しくなります。
当院は継承開業ではありますが、築50年の鉄筋2階建ての旧クリニックを解体し、現在、仮設診療所で診療を行っています。1ヶ月後、建坪50坪程度の木造2階建て新クリニックに移転します。
かかりつけ患者さんを有し、既に診療を行なっている点は異なりますが、クリニック開業の先生、クリニックの新規開業を考えられている先生と同じ点も多いように思います。
◉クリニックの基礎工事が完了すると、あっという間にクリニックが建ち上がります。
クリニックの建て替えを決心して1年6ヶ月経過しました。ようやく、新クリニックが建ち上がりました。先生、ご家族によって違うと思いますが、正直、疲れ果てています。診療や会議の合間、様々な業者さんとの打ち合わせの連続でした。
打ち合わせには、必ず家内と2人で出席していましたが、書類代行に関してのみ、院長単独で打ち合わせを行いました。
過去に記載した通り、保健所、厚生局、法務局、医師会などに提出する書類を代行してもらいますが、油断をすると、こっちに投げ返してくるためです。費用を支払っている分、全て、強気に代行してもらいました。
クリニック開業、書類代行については、こちらです→https://町医者の博打と投機と良い医療.com/clinic-open/daikouhiyou/
設計士さん、仮設診療所のリース会社さん、開業コンサルの書類代行業者さん、医療機器関連などの方々との面会の回数を数えると、なんと、48回の打ち合わせを行なっていました。短時間の打ち合わせはカウントしていないので、実際、60回程度だと思います。
初期段階では、設計士さん、建築会社さん、医療機器メーカーの方々との打ち合わせが多いです。後半になると、建設会社さん、電気設備会社さん、医療機器メーカーさんとの打ち合わせばかりになります。
建設会社さん、下請けの電気設備会社さん、医療機器関連業者さんと合同で打ち合わせをするので、クリニックの基礎完成後、打ち合わせの回数が減って楽になります。基礎完成後、7回しか打ち合わせをしていません。打ち合わせ時間は、1時間前後です。
打ち合わせで大変な時期は、クリニックの開業を決意した初期段階だと思います。基礎工事が始まるまでの6ヶ月〜1年間、診療しながら、コツコツと打ち合わせを乗り切るしかありません。(面倒臭がると主導権と費用を一気に持っていかれます。)
そう考えると、30歳代後半で開業を決意するのが、心身ともに余力充分ですし、人生設計も組みやすいと考えています。ただ、先生自体も高齢化しているので、65歳の定年後に開業されている先生も居られます。考え方と価値観の違いなので、正解はありません。
ただ、リスクを抱えてクリニックを開業するのですから、年齢は若いに越したことはないと考えています。
○クリニックの外壁、デザイン、費用。
・クリニックが建ち上がっているということは、既に外壁のデザインは決定済みです。外壁素材、デザインに関しては、先生、奥様のお好みだと思います。
・木造2階建、建坪50坪。総額7000万円です。2000万円を支払済みです。外壁、内装、クリニック背部の擁壁などにつき、具体的な費用が分かり次第、記載いたします。
・残りの支払い、5000万円で済むのか不安ではありますが、当初、解体費用と合わせ、軽く1億円を超えていましたので、倒産したり、命まで取られることはないと思います。
クリニック建築費用については、こちらです→https://町医者の博打と投機と良い医療.com/clinic-open/clinic-money/
・壁のタイルは、凝り過ぎて凹凸が強いと、雨垂れ、埃が溜まります。また、クリニックのネームを浮き上がるように目立たせた場合、壁が白っぽいと液垂れのような汚れが付きますので要注意です。
・ネームを入れる石材、壁は、大理石風、木目調などを選び、少し色を付けることをお勧めします。当院は、ライトブラウンの石材を使用しました。
・汚れの溜まりにくい模様入りの石材にしました。石材同士の繋ぎ目は殆んど分かりません。この点も細かいですが、設計、建設施工会社に尋ねた方が良いと思います。
・外壁は目立つ部分なので、多少、高くてもこだわった方が良いと思います。5年経っても綺麗に保てているのかを考えてデザインしました。
○クリニックの内装:床の色や壁のクロスの色。
・クリニックの床は、滑りにくく反射しない素材が多いです。壁紙は白系の色が多いですが、受付カウンターの背面は入って直ぐに目に飛び込むので、テーマカラーを使用したり、おしゃれにデザインしている先生が多いです。
・必ず素材の値段を尋ねましょう。壁紙は、使用面積が広く、少し高いくらいだと思っても、総額では結構な金額になってしまいます。
・トイレ、休憩室、院長室、会議室などの棚、物置のデザイン。両開きにするのか?片開きか?
・カルテ棚の設置。機能性、デザイン、価格など、一つ一つ、必要なのか?じっくり考えた方が良いと思います。
やたら、棚をつけてしまうと後で撤去が大変です。逆に、棚が必要と感じたら後で付ければ良いので、開院当初は、棚、カウンターなどは必要最低限で良いと思います。
・受付カウンターのデザイン、セルフレジの設置準備。
医療事務さんの意見を聞きつつ、経営陣の判断でデザイン、セルフレジを購入しました。セルフレジのメーカー、金額については、いずれ記載いたします。
クリニックの開業は、マイホームの設計、建築、デザインと似ています。診察、検査室、レントゲン室などの医療に特化した場所には先生が関与しますが、クリニック内装に関しては先生がされるのか?奥様がされるのか?相談しながら進めるのか?それぞれだと思います。正解はありません。
当院は、院長に全くデザインのセンスが無いので、家内に任せました。やはり、女性目線は確かです。職員さんの休憩室、トイレなどのデザインは奥様がデザインされた方が良いと思いました。
●設計、建設会社、電気設備会社に何でも任せると、価格、デザインが無茶苦茶になってしまいます。壁紙、床、トイレ、棚など、一つ一つ、必要なのか?どれくらいの値段なのか?確認した方が良いと思いました。
●クリニックを開業すると決心して、内覧会だけでなく、色々な病院、クリニック、歯科クリニックの見学は非常に役立ちました。
親しい先生ばかりでなく、気軽に医療機関に足を運び、気になったデザインはスマホで撮影し、クリニックの設計、デザインに活かした方が良いです。
クリニックのベッド数は減らす方向。
◉内科、循環器科、1日の患者さん数:40人〜80人程度です。
・メイロン、強力ミノファーゲンCの注射の患者さんは、多くて1日3人〜5人程度です。
・脱水、点滴が必要な患者さんは、多くて月:1人程度です。
旧クリニックは、点滴室があり、古臭いベッドが4台ありました。しかし、20年間、4台のベッド全てが埋まったことはありませんでした。時代とともに点滴を行うこともなくなっています。
ビタミン剤の注射を行う患者さんも激減しています。月:2人〜3人程度です。
現在、仮設診療所で診療しています。待合室の広さは、4.5メートル四方しかありません。患者さんが5人来られると待合室が密に感じます。
今後、5年〜10年というスパンで経営を考えた時、コロナウィルス感染症が終息したとしても、注射や点滴の患者さんが増えるとは思えません。
◉クリニックの内覧会で気になったこと。(ブラック調べ)
⚫︎クリニックをリニューアルしたのに、ベッド、採血台、注射器、注射液アンプルを置く棚が古いままでダサかった。
・旧クリニックの設備を使っているのでしょう。使えるものを使うのは大事ですが、心機一転、リニューアルしたので、高いものではないからベッド、採血台、棚くらい買えば良いのに、と感じました。
・内覧会に1回行っただけで感じたので、おそらく、クリニックの職員さんは更に感じているはずです。職員さんのモチベーションが下がらないようにした方が良いと思いました。
⚫︎クリニック新規開業なのに、待合室の椅子、テレビが古かった。
・新規開業で待合室の椅子が古いのは意味が分かりませんでした。他のクリニック、病院から貰ってきたのでしょうか?
・待合室のテレビが古いのは、自宅のテレビを持ってきて、新品のテレビを自宅用に廻したのでしょうか?推測でしかありませんが、ケチ臭いことをしたらバレるので、お金の使い方には気をつけようと痛感しました。
⚫︎クリニックの新規開業の内科で、焦茶、黒っぽい色を多用しているクリニックがありました。
・医療機関は、白という固定概念を覆した点には感服しました。正直、薄暗いし、壁は黒と焦茶色だし、気持ち悪かったです。
・ナイトバー、クラブではないので、黒、焦茶色の仕様はアクセントにした方が良いと感じました。
・照明を落として、医療事務さんの制服も黒でした。看護師さんのナース服が薄いピンクなので、違和感がありました。ちなみに、先生は紺色のオペ着のようなものを着てました。
クリニックの新規開業を考えておられる先生は、内覧会ばかりでなく、クリニック巡りをされた方が良いです。コロナウィルス感染症が拡大しているので、全国各地のクリニックホームページを閲覧しまくるは楽しいですし、参考になります。是非、お試しください。