儲けるためのクリニック内装 看護師さんの引き抜き

新クリニックの総建築費用。

木造2階建て、総坪55坪の新クリニックが建ち上がりました。現在までに投じた費用を簡単にまとめます。

土地代:元々、旧クリニックが建っていた土地なので無料。

鉄筋2階建て旧クリニックの解体費用:約850万円(税込)

仮設診療所費用:約1600万円(税込)

設計費用:350万円(税込)

木造2階建て新クリニック建築費用:7800万円(税込)

色々と頑張ったのですが、総額:約1億600万円(税込)でした。

ブラック評1)開業コンサルと建築会社の談合まがいの出来レースを断ち切り、建築費用を抑えることに成功しました。

開業コンサル紹介の建設会社は聞いたことがない田舎の小さな建設会社でした。しかし、値段は超一流。

同じ設計図に基づく新クリニックですし、解体も同様です。合計:2750万円安くなりました。

開業コンサルはピンキリです。当クリニックが依頼した開業コンサルは、全国的に名の売れた開業コンサルですが、信じ切ると危険です。(当初、仮設診療所の費用も2000万円を越えていました。)

設計、建築、解体、仮設診療所を丸投げすると、幾らお金があっても足りません。

新規開業の先生は、当クリニックと違って、解体費用と仮設診療所が不要です。しかし、土地の購入費用が必要です。

当クリニックも新規開業と変わりません。診察机、椅子、ベッド、待合室の椅子、セルフレジ、レントゲン機器導入、デジタルフィルムの買い替え、ホームページ作成など全てを行いました。

個人的には、開院費用は抑えるだけ抑えた方が良いと考えています。開業コンサルの言うままだと結果として、単純計算で4000万円程度違っています。

1)開業コンサル紹介以外の設計会社を入れて大正解でした。2750万円安くなりました。

2)設計管理費用:300万円とか設計図面変更:50万円とか、根拠の分からない費用を請求してきます。要注意です。

3)仮設診療所は壊すものなので安くて構いません。500万円以上、削減できました。

理想のクリニックを建てて、信念に基づいて自らの医療を行うことが開業される先生の夢だと思います。

しかし、コストパフォーマンスを考えて話を進めないと大変なことになります。4000万円といえば、当クリニックでも2年分以上の利益に相当します。

言われるがままに開業していると、新クリニックで2年以上、タダ働きをすることと同義です。どうかご注意ください。

クリニック内装、好評ポイント。

◉新クリニック建設で看護師さん、医療事務さんから好評だった点。

コストを抑えつつ、患者さんが来院しやすく、職員さんが働きやすい職場を目指しました。

⚪︎トイレ、洗面台が重要ポイント。

職員さん用のトイレがあることが最重要なようです。当クリニックは、1階の職場から階段を上がって直ぐに職員さん専用のトイレを作りました。

もちろん、ウオシュレット付き、音消し付きです。トイレに入る前に洗面台、鏡も配置しています。

⚪︎休憩室。

休憩室は広ければ良いわけではありません。広すぎると落ち着かないですし空間の無駄です。

当クリニックの休憩室は12畳の広さです。フローリング半分、薄型畳を半分敷きました。

換気できるように開閉可能な大きめの窓を付けています。また、室内からタオルや簡単なものを干せるように、窓辺に小さなベランダを作りました。

縦長のロッカーを配置して、コートを収納できるようにしています。

着替えた後、全身をチェックできるように鏡を配置しています。

⚪︎クリニックの水栓は全てタッチレスにしました。

⚪︎セルフレジを導入しました。

セルフレジは、セブンイレブンの真似をして、ビジコム社のセルフレジを導入しました。お金の計算や1日、1週間、1ヶ月の締め作業が不要になります。

⚪︎受付カウンター内は広めに作りました。

受付が狭く、医療事務さん、看護師さんが通りにくそうなクリニック、病院を見かけます。あまり広すぎるとカルテやファイルの受け渡しに困るので、程よい広さにしました。縦列に2人座ることができる広さです。

⚪︎カルテ棚は、カルテを縦方向に並べることができる棚を購入しました。

医療事務さんも看護師さんもカルテを探すときは、名前か患者さんの保険種類、番号で探します。

格好の良いカルテ棚を購入しても、カルテの置き方が悪いとカルテを探しにくくなりますので要注意です。

分厚い紙カルテの患者さんも居られますが、ご高齢ですので電子カルテに対応した薄いカルテに置き換わっています。

⚪︎靴だな。傘立てを充実。

職員さんは、女性ばかりです。日傘、雨傘を使われますし、冬はブーツを履いて来られる職員さんも居られます。

履いてきた靴を院内の仕事用シューズに履き替えますが、ブーツを収納できる棚を用意しました。

雨の日に職員さん専用入口が濡れてビショビショにならないように、広めに作り、傘立ても完備しました。従業員さんが13名居るので気を使いました。

上記のクリニック内装費用については、まとめるつもりでおりますが、明らかに不要、明らかにボッタクリな費用を4000万円程度(もしかしたら以上)抑えたので助かりました。

引き抜くつもりはない。

医療関係だけではないでしょうが、特に近隣のクリニックでは看護師さん、医療事務さんの引き抜きはご法度とされています。

医師会の相談窓口に怒り狂った先生、奥様が来院されます。「看護師さん、医療事務さんを引き抜かれた。医師会は一体、どんな教育をしているのか?」とお叱りを受けます。

転職の自由がありますから、引き抜きは違法行為ではありません。医師会は、看護師さん、医療事務さんの引き抜き行為を容認しているわけではありませんが、禁じているわけでもありません。

個人的には、引き抜かれる方が悪いと考えています。魅力的な職場だと引き抜こうとしても退職されません。

クリニック、病院は、常に人不足ですから、他の医療機関と差別化して良い職場を目指さないと、看護師さん、医療事務さんは退職されます。

当クリニックの勤務時間、出勤、退勤時間、有給休暇の消化状況、残業時間なし。夜間呼び出しなし。土曜日午後休診。日曜、祭日診療なしなどを耳にして、転職希望の看護師さん、医療事務さんが相談に来られます。

現在、当クリニックの看護師さん、医療事務さん共に1人多めに採用している状況ですから募集を行なっておりませんし、相談を受けても採用しておりません。

クリニック内装に関しても、看護師さん、医療事務さんが見学に来られたり、受診の度に内装を見て帰られます。

このような看護師さん、医療事務さんを採用すると、引き抜きだと怒られたり騒がれたりします。

結局、クリニックが成長して時代に応じた職場に変化していかないと、患者さんも看護師さんも医療事務さんも、人は集まらないのだと痛感しています。

新規開業の先生、リニューアルオープンの先生は、是非、ボッタクリや不要な費用を見抜いて、先生、ご家族、職員さん、患者さんのための設備投資に回していただきたいと考えています。

開業コンサルと建築会社の談合には充分にご注意ください。先生の夢を叶える。先生の開業を親切、丁寧に支援する。開業実績〇〇件などと宣伝しています。

その後、充分な黒字経営のクリニックは何件あるのでしょうか?閉院したクリニックは何件あるのでしょうか?彼らは明らかにしません。これが真実だと思っています。

新クリニック開業の際、実際に削減できた建築費用の詳細はこちらです→https://町医者の博打と投機と良い医療.com/clinic-open/clinic-money/