クリニック、病院の制服は、誰のものでしょうか?
クリニック、病院に勤務されている看護師さん、医療事務さんに職場から制服が支給されます。また、退職時には制服を職場に返却します。ただ、返却してもらっても、クリニック、病院としては、
⚫︎サイズが合わない。型が古く、他の職員さんと微妙に違う。
⚫︎使い古し。生地が伸びている。ほつれ、傷みがあり、色褪せている。
上記理由から再利用できません。
・汚れてしまった場合の急ぎの着替え用。入職した方の制服が届くまでの代用品として返却いただいた制服を使用します。
ナース服、制服は、クリニック、病院から支給されるものですので、原則、クリニック、病院のものですが、身につけるものですので、誰のものか?かなり曖昧です。
経営者の先生は、ナース服、制服に無頓着なことが多いですが、職員さんにとっては非常に大事なことです。
◉女性の職員さんが気にされるポイント。当院の制服について記載します。
○看護師さんのナース服の場合。
⚪︎ナース服は、白だと下着のラインが透けて見えるので、厚手のナース服や、薄いピンク、エンジ色に変更しました。生理の際、気にされる看護師さんが多いようです。
・結構、多い要望です。ナース服の刷新の際には、看護師さんのヒアリングを行った方が良いです。
ただ、「ナース服の色を自由に選べるようにしろ」というような良識が欠けた方も居られますので、「参考までに」と枕詞を付けてヒアリングを行った方が良いです。
・クリニック、病院のテーマカラー、理念に沿ったカラーリング、デザインを決めましょう。
当院のテーマカラーは、ライトグリーンです。しかし、ライトグリーンはナース服に反映できないので、上着は白、ズボンは薄いエンジ色にしました。
⚪︎看護師さんは、ワンピースタイプではなく、パンツスタイルを希望する方も多いので、ヒアリングを行い、ワンピースタイプとパンツスタイル、どちらが希望かを尋ねました。
・ナース服は、最低、2着は支給した方が良いので、ワンピースタイプとパンツスタイル1着ずつ、希望される看護師さんが多かったです。
・ワンピースタイプの方が評判が良くない印象です。動きにくいし、しゃがむと下着が見えたり、患者さんの視線が気になる、などが理由のようです。
⚪︎クリーニングに関しては、職場で行うところもあれば、各自が行う職場も多いです。
クリニックでまとめてクリーニングに出していましたが、出勤日数や着る回数が違うので、職員さんが各自、クリーニングに出しています。その費用は職員さん負担です。
⚪︎ほつれ、色褪せ、ポケットの破れなど、こまめに確認しています。
・毎日着用する看護師さんも居られます。ほつれ、色褪せ、ポケットの破れなどに気づいた場合には、補修に努めます。
・補修を繰り返すようなら、新規に購入します。ただ、他の看護師さんよりも買い替えの頻度が多いようなら、「大切に使ってください。」と伝えることは大事です。
・ガサツな看護師さんは、やたら、ナース服を汚したり、失くしたり、破ったりします。経験的に、こういう看護師さんは長続きしません。協調性がなかったり、周囲のことを考えていない看護師さんが多い印象です。また、仕事にミスも多いので、一緒に働きたくないと思っています。
・当院の看護師さんはコスト意識がしっかりしているので、此処4年間、制服を大事に使用するように注意をしたことはありません。
・家内が、看護師さんの制服、シューズの状態確認を怠りません。また、院長もさりげなく見ていて、気になったら家内から看護師さんに「ほつれてるので、換えましょうか?」と伝えてもらいます。
・感謝されたことはあっても、恨み言を言われたことは無いです。看護師さんは、気にかけてもらっていることが嬉しいものです。経営者の自覚を持って、ナース服、ナースシューズなどをさりげなく見ましょう。(ジロジロ見ない方がいいです。)
⚪︎ナースシューズを統一しました。
・クリニック、病院のテーマカラー、理念に合うナースシューズを決めて購入しました。こちらもナース服と合わせて、2足、購入しました。1足だと、すぐに傷んでしまいます。
・カタログを見て、好きなシューズを選んで良い、と伝えたい気持ちはありますが、曖昧な指示は良くないです。
・医療用カタログの品物は、基本、価格が高いです。さらに、看護師さんが費用を負担するものではないので、高いものを選びがちです。ナースシューズを決定し、一括購入することで割引してもらいました。
⚪︎ネームにこだわりました。
・ネームは、「〇〇クリニック・看護師・□□ △△子」と明確に記載しています。
・「適当に作って」、「名札を各自、業者に頼んで」とせずに、クリニック、病院から業者に依頼、作製したネームを付けてもらうようにしました。
⚪︎ネーム、ボールペンなどに付属品をつけないように指導しています。
・ネーム、ボールペンに、患者さんからもらった小物(ビーズで作った動物系の飾り、携帯ストラップなど)を付けている看護師さん、医療事務さんが居られますが、当院では禁止しています。
・衛生面からと、クリニックの理念に合わないので付けないように指導してます。
(勤務中に、胸元、腰のポケットで小物が動いているのは気になります。患者さんに貰ったものを身につける習慣は、患者さんからみれば、「あげると付けてくれるもの」と思って、ずっと「ビーズで作った動物系の飾り」を持って来られます。個人的なものに付けてもらうように指導しています。)
○医療事務さんの場合。
⚪︎ナース服と同じように、クリニック、病院のテーマカラー、理念に合う制服を選ぶ。
自由診療(美容形成、審美歯科)のクリニックでは、デザイナーに依頼して、制服を用意しているクリニック、病院もあります。大都市圏に多いです。
⚪︎デザインに関しては、ナース服よりは選択肢が多い。
・事務制服は、一般企業の制服、事務服の需要があるため、選択肢が多いです。
経営者の先生が制服を選ばれた方が良いです。当院は、制服、事務服のカタログを取り寄せ、外観、値段などを参考に家内が選びました。カタログを10冊近く取り寄せていました。当然、一括購入して割引してもらいした。
⚪︎シューズは、看護師さんと色とタイプ分けました。
・医療事務さんのシューズは黒に統一しました。(看護師さんは、白のシューズに統一しました。)こちらも、2足あった方が良いと考えました。1足だと、すぐに傷んでしまいます。
⚪︎ネームも、看護師さんと同じく作製しました。
・ネームも、「〇〇クリニック・医療事務・□□ △△美」と明確に記載しました。
ナース服、制服、シューズ、小物、ストラップなどにこだわる理由。
クリニック、病院は、経営者が目指す医療を提供することが大事なので、ナース服、制服がバラバラでも別に医療に支障はありません。
ただ、制服、身だしなみ、細かな規定を定め、経営理念、テーマカラーだけでなく、仕事を遂行する上での守るべき基準と良識を明確にしておかないと、クリニック、病院だけでなく、会社は、簡単に瓦解してしまいます。
ナース服、ナースシューズ、医療事務服、シューズ、ネームばかりでなく、患者さんからもらった小物(ビーズで作った動物系の飾り、携帯ストラップなど)を付けることにまで制限をかけるのは、やり過ぎと感じる方も居られるかもしれません。
○制服に限らず、細かなルールを定めることと、朝礼は同じ目的です。
正直に記載すると、ナース服、制服、ネームや、小物(ビーズで作った動物系の飾り、携帯ストラップなど)を付けることに決まりを設けることと、朝礼に参加することは同じ目的です。
・その程度の簡単なことを守れないようであれば、同一の目的に向かって供にビジネスを行えない、という本音があります。
「私は、患者さんから貰ったストラップを付けて仕事をする。」、「朝礼は、毎回、同じことを繰り返すので、参加したくありません。」
・頂き物:気持ちは分かるので、見えないところにつける。ポケットに入れておく。プライベートでスマホに付ける、などの大人の対応を求めています。
・朝礼:皆が揃うこと、意思統一をすることを目的としています。セレモニーです。参加は会社のルールなので、朝礼参加を拒否する時点で一緒には働けなません。
●上記で意固地になる方は、些細なことでも目くじら立てるので揉める可能性が高いです。
・職員さん側の立場から考えても、クリニック、病院の用意したナース服、制服、シューズで仕事をすることや、朝礼参加に対して、そこまで強硬に反対される方は少ないと思います。まず、そういう方は雇いません。
・制服は、予備を準備したり、ワンピースタイプとパンツスタイルの選択肢があります。
・下着が透けて見えないか?動きやすいか?傷んでないか?などまで配慮している経営者と強硬に対峙する価値観の方とは、一緒に仕事をすることは難しいです。
◉なんでも対決姿勢の職員さんは、職場に入れないようにしています。
●コロナウィルスワクチン、帯状疱疹ウィルスワクチンなどの新規の予防接種業務導入について意見が合わない。
●患者さんの検査内容、訪問診療について意見が合わない。(入職時に説明しているにも関わらず、嘱託先の訪問健診、血液検査などを嫌がる。)
●診察方法、内容につき、意見が合わない。(血液検査、検尿検査の頻度につき、減らすように院長に指示するなど)
・クリニックの経営方針ですから、個人の価値観で反対されると困ります。忙しいこと、手間がかかることに反対される方が多いです。
・クリニックは星の数ほど存在するので、他のクリニックで働いてもらえば良いので退職してもらいます。(その前に採用しません。)
強引な経営に対して良識のある反対意見なら分かりますが、理念を定めているクリニック、病院の場合、強引な経営方針を打ち出すケースは少ないです。
新規業務や診療内容につき、意見が合わない職員さんは、組織に属することに向いていないのだと思います。
クリニック、病院は、良い医療を提供し、売上を伸ばし、職場環境を維持、向上させないといけません。そのためには、新たな業務に着手したり、癌の終末期の患者さんを受け入れたり、勝ち残るため、他のクリニック、病院との差別化への挑戦を避けては通れません。
その度、意見が合わず、協調性を欠くようでは一緒に働けません。朝礼の参加、ユニフォームの統一で不平、不満が出るようでは先が思いやられる、というのが本音です。
クリニック、病院の経営理念、テーマカラー、ユニフォームについて、意見が合わない、会社の方針に従えないわけですから、多彩な医療業務、経営方針について意見が合うはずがない、と経営者は考えて良いと思います。
学校、警察とは違いますが、経営理念とユニフォームには、目的遂行のための意思統一という狙いが隠されています。
当然、経営者も身だしなみに注意し、職員さんの模範になるように細かい規律を率先して守ることは言うまでもありません。