医者のお小遣いの現実

『医者』のお小遣いは、家計による。

バブル時代は、医者だけじゃく、全業種の景気が異様でした。背筋が凍るようなお金の使い方をしていた方を沢山、見てきました。

お小遣い『月:100万円』、『使い放題』って先生も沢山居られました。

また、製薬会社、医療機器メーカーの接待全開でしたし、財布を持たずに夜の街に繰り出し、帰りにお車代をもらうことすらありました。

タクシー代に1万円出して、お釣りは要らないって言っていた時代ですから。

30年以上経った現在、時代はすっかりと変わってしまいました。人口減少、少子化で、景気は悪くなり、国は『医療費を削減』しまくっています。

『医療費を削減』は、『クリニック』、『病院』だけでなく、『医療業界』全体にお金が流れてこない、ということです。

→結果、医療関係者の懐事情も厳しくなります。

30年以上、学生時代も含めて、多くの医者、製薬企業、医療機器メーカー、研究関連企業と接してきた個人的な経験、見解をまとめてみます。

◉『医者』のお小遣いは、家計状況と考え方で全く異なります。

●『医者』が『クリニック』を経営している『院長先生』なのか?『勤務医の先生』なのか?お小遣いの金額が変わってくる。

●『院長先生』であれば、『クリニック』の財務状況、『院長先生』の年収によって、お小遣いの金額が決まる。

●『勤務医の先生』であれば、年収とご家族の家計状況、考え方によって、お小遣いの金額が決まる。

『勤務医の先生』のお小遣いのパターン、金額(個人的な経験と情報です)。

●『勤務医の先生』。『内科』、『外科』など。既婚者。奥様が主婦の場合。

→病院の給与は、家計に入れる。月5万円程度のお小遣いを支給。

→それ以外は、勤務病院の当直料や、院外の当直、健診料などをお小遣いにしている先生が多い。

当直料は、地域、病院によって違いますが、平日:5万円程度、休日:7〜10万円程度です。

週末、当直をしまくると、家族サービスができなくなるので、平日の当直と月1回、土日当直をしている先生が多いです。

土日当直は、土曜日の午後から月曜日の朝まで当直ですので、20万円前後は稼げます。

●『勤務医の先生』。『皮膚科』、『眼科』など。既婚者。奥様が主婦の場合。

→当直業務がないので、勤務病院以外の病院に週1回程度、出務しています。

→週1回の外来診療は、1日だと4〜5万円ですが、午後だけだと2万〜3万円程度です。

→『皮膚科』、『眼科』などで、手術をされる先生は、他の病院で手術して、稼いでいる先生も居ます。

→1回の手術料は、5〜20万円と、かなり幅があります。手術の内容によるのでしょう。

●『勤務医の先生』。『内科』、『外科』など。既婚者。奥様が『看護師さん』、『医療従事者』の場合。

→病院の給与は、家計に入れているが、奥様が働いて居られるのは、

1)せっかく、免許を持っているので、働きたいと意欲的な奥様。

2)子供さんの学費、将来の貯蓄を考えている奥様。

3)奥様の自由になるお金を増やすため。

→結果、それほど、先生のお小遣いは増えていないので、当直、手術などで稼いでおられるようです。

●『勤務医の先生』。『内科』、『外科』など。既婚者。奥様が『先生』の場合。

→病院の給与は、家計に入れておられますが、お小遣いが多い先生が多いです。

→奥様が『勤務医の先生』であったり、非常勤の『勤務医の先生』であっても、500万円〜1500万円くらい稼ぐでしょうから、家計に入れるお金を折半しているようです。

→お小遣いは、20万円程度の先生が多いですが、子供さんの人数や、『住宅ローン』などで大きく異なります。

◉全てにおいて言えるのですが、奥様の家庭内での家計を握る強さで、お小遣いの金額が全く違います。

*たとえ、奥様が女医さん『勤務医の先生』でも、月:5万円のお小遣いの先生も居ます。

*子供さんが3人、奥様が主婦の方でも、月:20万円以上のお小遣いの先生も居ます。

奥様の家計の把握具合、資産の状況、価値観、趣味などで、『勤務医の先生』のお小遣いはピンキリです。

『開業医の先生』のお小遣いのパターン、金額(個人的な経験と情報です)。

●『大繁盛クリニック』の『院長先生』。既婚者。奥様が主婦の場合。

→奥様が主婦であっても、ほとんどは『クリニック』の『理事』に名前を入れて居られます。

→奥様は、『クリニックの理事』として、年収:250万円〜2000万円程度まで稼ぐことが可能です。

・『クリニック』に時々、顔を出す程度の奥様ですと、年収:250万円〜500万程度です。

・『クリニック』の業務を殆ど行っていないのに、高給を取ると、税務署の調査で攻撃されます。

・『クリニック』の業務(会計、人事、宣伝広告、経理など)を頑張っていると、『クリニック』の収益に応じて、年収を上げることができます。

・『クリニック』の業務をガンガン、頑張っている奥様ですと、クリニックの年商1億5千万円くらいなら、年収2000万円程度、貰っている奥様も居られます。当然、『院長先生』の年収は、4000万円以上です。

・『クリニック』の場合、夫婦で収入を分けないと、税金が凄く高くなります。

*『クリニック』の場合、外食、パソコン、学会参加、書籍代、携帯電話代、ガソリン代などは、全て経費。(『クリニック』業務に関わる費用に限ります)

*子供さんを私立の医学部に入学させるため、貯金をしている『院長先生』、奥様が多い。

*医学部進学のための塾代、学費は、1年で100〜500万円くらいかかります。(塾の種類によります。)

*私立の医学部に入学して、6年間の学費を支払い、卒業するまで、1人:4000万円以上かかります。

*『クリニック』の後継者育成も大事な仕事です。

◉『クリニックの院長先生』、『クリニック』大繁盛の場合、お小遣いは、5〜50万円とピンキリです。

◉『クリニックの院長先生』は、『他院の当直』、『急患センター』などに出務している場合には、その費用をお小遣いにしている先生が多いです。

●『通常クリニック』の『院長先生』。既婚者。奥様が主婦の場合。

『通常クリニック』は、年商:3000万円〜6000万円程度の『クリニック』を想定しています。

→奥様が『クリニック』業務を頑張っても、年収500万円程度、『院長先生』の年収2000万円程度が限界でしょう。

結果、お小遣いは、5〜20万円程度でしょうが、病院の当直をしたり、急患センターに出務して、お小遣いを稼いでいる先生が多いです。

*『クリニック』の年商が低いと、子供さんを医学部に進学させて、後を継がせるという選択肢を取らない『院長先生』も多いです。

→私立の医学部を目指さないので、高額な学費が不要となり、生活が楽になる先生も多いです。

→お小遣いを増やしたり、ご夫婦で楽しむ人生を選択されている先生も多い。

◉『クリニック』で稼ぎまくって、贅沢ができる時代は終わった。

◉人口減少、少子高齢化、医療費の抑制などから、医者の良い時代は終わった。

→子供に辛い思いをさせたくないので、医者という職業を勧めない考えの先生が増えています。

◉時代が多様化し、お金をかけなくても楽しめる時代である。

◉お小遣いの額は、1)院長先生の必要性の範囲、2)家計、子供さんの学費、住宅ローンなどに影響を受ける、3)奥様の家庭内の力量、4)勤務先の状況、『クリニック』の状況

1)〜4)に凄く影響されます。一般の会社員の方と比較して、お小遣いは多いですが、年収と比較すると少ないと考えています。

『お小遣い』、『お金』を使わない先生が多い。

●お金が欲しいから医者になった、という先生は少数派です。

●お金は、あっても困らないが、ゆっくりと過ごす時間が欲しい、という先生が大多数です。

●昔と違って、車、酒などへの派手な金遣いをする先生は激減しています。

*1泊2日、週末の当直10万円でも、先生が確保できない。

*20歳〜40歳代の先生は、当直してお金を稼ぐより、家でゆっくりしたい先生が増えた。

お金は、ある程度以上になると、時間の方が大事になります。お金を稼いでも使う時間が無ければ無意味です。

◉最近の先生の趣味

1)釣り、モーターバイク、山登り、キャンプ

→若い先生だけでなく、全世代で増えました。釣り道具、バイクは、良いものを揃えるとお金はかかります。

→大金を払って、良い釣り道具を揃えている先生よりも、家族で旅行として出掛けている先生が多い。

→家族、医者同士、医療従事者の方と、大勢で楽しんだり、家族だけで楽しむ。

2)カート、ドライブ、ツーリング

→大勢とワイワイと楽しむのが苦手な先生が選んでいる趣味です。

→2〜3人程度で、バイクのツーリングに出かけたり、カートで楽しんでいます。

→お金を沢山、使っている先生は少ないですが、生活に余裕があるために選べる趣味かもしれません。

3)映画鑑賞、ネットサーフィン、ブログなど。

→患者さんと接するので、休み時間は人と会いたくない先生が結構、多いです。

→休日、自宅、職場のパソコンを弄ったり、DVDを見たりしてストレスを解消しています。

→お金を使わないし、お金に興味がない先生が多いです。

4)パチンコ、競馬、競艇などの賭け事。

→3)と同じ理由です。1人で楽しんでいるのですが、賭け事に恐ろしい額を突っ込んでいる先生もいます。

5)株、FX、先物などの投資。

→お金を増やしたい気持ちは『医者』も同じです。最近は増えてきましたが、やはり、時間がないので、少数派です。

→『クリニック』の先生は、株好きな先生が結構居ますが、他人に言うものではないので、分からないようにされています。

◉ある程度、お金を持つと、時間がない仕事だけに、それ以上の金儲けを求める先生は少ないです。

◉有意義に時間を使いたい、時間が欲しい、と言っている先生が殆どです。

◉お小遣いが少ない、と文句を言っている先生は少ないです。お小遣いが少ない場合には、当直、救急などに出務して、自分で稼いでお小遣いを作り出している先生が多いです。