消炎鎮痛剤は、『ドラッグストア』、『クリニック』受診、どっちがコスパが良いのか?
●『コロナウィルスワクチン』接種後、副反応の際、解熱剤を購入して内服して下さい、と言われる。
●腰痛症、生理痛、片頭痛などの際、解熱剤を内服している方が多い。
●『クリニック』でも、整形外科、内科を問わず、消炎鎮痛剤の処方は多いです。
*薬の値段の高い、安いは、その薬が販売されて、どれくらいの年数が経過しているかによる。
*薬の値段の高い、安いは、1日の内服回数による。
*薬の値段の高い、安いは、類似薬の値段による。
色々な要素を含め、国が決めています。正直、医者は薬の値段について、知らないことが多いです。
・新薬は高くて、時間が経つと安い。
・1日3回内服する薬は、1回分が安くなる。
・ジェネリックは安い。
実は、上記程度の知識しかないので、診察の際には、処方、薬代について、深く考えていない先生も多いです。
『アレルギー性鼻炎』のアレジオンは、『ドラッグストア』で購入する方が割高なのは、分かります。
湿布、消炎鎮痛剤は、発売されて何十年も時間が経っているので、実は、『ドラッグストア』で購入する方が割安なのかもしれません。
検討、考察は、大事なので、ネット情報、医者の『薬本』を元に値段を考察してみます。
消炎鎮痛剤、有名な『ロキソニン』、『カロナール』を検証してみます。
そもそも、医者の『薬本』って何か?
→医者も薬の全ての効能、容量を覚えているわけでもないし、確認も必要です。
→毎年、医者、医療従事者の方用に、薬の辞典みたいなのが発売されています。これを『薬本』って呼んでます。
→薬の名前、効果効能、内服量、適応病名、値段まで、全て記載してあるので、すごく便利です。一般の方でも購入できます。
◉ロキソニンS(第一三共ヘルスケア)を検証してみる。
12錠:713円(税込) 1錠:59.4円
→第一三共ヘルスケアの『ロキソニンS』については、コチラです→https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/details/loxonin-s/
『クリニック』で『ロキソニンS』を同じ『ロキソニン』を処方する場合の値段。
ロキソニン 1錠:12.4円 12錠:148.8円
ロキソニンのジェネリック:ロキソプロフェン 1錠:5.7〜9.8円(会社によって差があります。)
ロキソプロフェン 12錠:117.6円(9.8円で計算)
『ドラッグストア』で『ロキソニンS(第一三共ヘルスケア)』 12錠:713円(税込)
『クリニック』で『ロキソニン』 12錠:148.8円
『クリニック』で『ロキソプロフェン』 12錠:117.6円(9.8円で計算)
消炎鎮痛剤は、痛い時、熱がある時、素早く飲みたい薬です。
『クリニック』の場合、受診して診察が必要だし、待ち時間は長いし、その後、薬局に行って、薬を貰わないといけないし、二手間くらい余分です。安く物を得る場合には、面倒が常です。仕方ありません。
●『処方箋』を受け取るため、『クリニック』を受診した場合。
・初診料:368点 処方箋発行:68点 一般名加算:5点(ジェネリック医薬品のため)
合計:441点 1点10円なので、4410円。3割負担だと1323円。10円未満は切り捨てです。
『クリニック』の受付で1320円、支払って、『処方箋』を受け取ります。
『処方箋』を薬局に持って行って、薬を受け取る時、薬代を支払います。(薬局で調剤加算って手間賃を420円の自己負担3割=126円、必要になります。)
でも、痛み止めって、1日3回、30日分処方とか可能なので、常に生理痛、頭痛などで『ロキソニン』を使用する方って、結構な差になるのではないか?って考えました。
●『ロキソニン』1日3回 30日分処方の場合。90錠処方を想定すると、
『ロキソニンS』(第一三共ヘルスケア) 1錠:59.4円×90錠=5346円
『ロキソニン』 1錠:12.4円×90錠=1116円
『ロキソプロフェン』 1錠:9.8円×90錠=882円
ブラック評)
痛み止めは、『クリニック』で処方してもらうと、1日3回、30日分処方で、『ロキソニンS』5346円、『ロキソプロフェン』882円、薬代の差額:4464円、割安になります。
ここから、クリニックの初診料:1320円、薬局の手間賃:126円を割引いても、4464円ー1320円ー126円=3018円。
1ヶ月分処方してもらって、3018円、得するなら、『クリニック』を受診した方が良いですけども、『クリニック』が苦手な方は、『ドラッグストア』で第一三共ヘルスケアの『ロキソニンS』12錠入りを購入するのでしょう。
『ドラッグストア』、『クリニック』、好きな方を選ばれて良いです。市販の薬は、かなり割高です。昨日、記載した『アレジオン』も1錠あたり100円程度、割高で販売しています。
◉『ボルタレン』って、『ジクロフェナク』という名でジェネリック医薬品も出ていますが、『ボルタレン』の内服薬は市販されていないです。知りませんでした。
◉『カロナール』は、『アセトアミノフェン』という名の薬です。
市販薬は、『タイレノールA』という薬が販売されています。
『タイレノールA』 10錠:733円(税込) 1錠:73.3円
『タイレノールA』や、消炎鎮痛剤の値段は、コチラです→https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&ved=2ahUKEwjVl6a7m8X2AhVP8WEKHe0vBDsQFnoECDwQAQ&url=https%3A%2F%2Fsokuyaku.jp%2Fcolumn%2Fcaronal-pni.html&usg=AOvVaw2yLIW1WH3bAmiJU44LKWr_
『クリニック』で『カロナール(アセトアミノフェン)』を処方する場合の値段。
『カロナール』 1錠:6.2円 10錠:62.2円
『カロナール』のジェネリック『アセトアミノフェン』の値段は、1錠:6円〜7円と『カロナール』と殆ど同じです。
『タイレノールA』 10錠:733円(税込) 1錠:73.3円
『カロナール』 10錠:62.2円 1錠:6.2円
ブラック評)
消炎鎮痛剤、カロナールの結果、『クリニック』での処方と、『ドラッグストア』での一般購入で、1錠あたりの値段が10倍近く違うという、凄まじい価格差でした。
これって、『ドラッグストア』で購入すれば購入するほど、『クリニック』で処方してもらう場合と差が出ます。
病院が苦手な人にとっては、『ドラッグストア』はありがたい存在でしょうけど、頭痛、生理痛で内服する必要性のある方は、思い切って『クリニック』を受診して、30日分処方してもらうと、相当にコスパが良いです。
昨日、記載した『アレジオン』と一緒に『ロキソニン』を処方してもらうと、さらにお得です。
消炎鎮痛剤を購入、内服する場合の注意点。
●気軽に手に入る消炎鎮痛剤ですが、注意点があります。
・片頭痛、筋緊張性頭痛などの頭痛に対して、『ロキソニン』、『ロキソプロフェン』など、頻繁に内服すると、『薬剤乱用頭痛』になる可能性があります。
→1日3錠、毎日服用を数ヶ月レベルで内服するのは良くないです。頭痛専門医に相談しましょう。
・『ロキソニン』、『ロキソプロフェン』などの消炎鎮痛剤内服は、胃潰瘍のリスクです。
→高齢者の胃潰瘍の60%〜70%が、『ロキソニン』、『ロキソプロフェン』などの消炎鎮痛剤による胃潰瘍です。
・『ロキソニン』、『ロキソプロフェン』、『カロナール』などを内服する場合には、胃薬の併用がお勧めです。
●痛みの治療は、痛み止めではありません。
・痛みを抑えることは大事ですが、原因を調べなければ、病気を見逃すことがあります。
*1000人の頭痛患者さんの頭部MRI検査を行うと、1〜3人の確率で『脳腫瘍』、『脳動脈瘤』があった、という報告があります。
*生理痛に対して、ひたすら消炎鎮痛剤を内服していたが、調べてみると、『子宮内膜症』や『子宮体癌』であった経験は、幾つもあります。
*胃が痛いので、市販の消炎鎮痛剤を内服していたが、胃潰瘍が悪化し、腹膜炎になった。
*胃が痛いので、消炎鎮痛剤と胃薬を内服していたが、治らないので調べたら胃癌だった。
内科、救急医で診療していると、『ドラッグストア』で薬を飲み続け、病気を見逃していることが多々あります。
医者だから言うわけではありませんが、『クリニック』受診は、手間がかかり面倒ですが、病気の早期発見に繋がりますので、ご一考頂けますと幸いです。