コロナウィルス感染症の職員さんへの対応 有給不足

『クリニック』で異なる『風邪症状』の職員さんへの対応

医療に従事している『看護師さん』、『医療事務さん』、『先生』は、感染症のリスクが高いです。しかし、職場の対応は、様々です。

当然と言えば当然ですが、医療現場で働いている『看護師さん』、『医療事務さん』、『技師さん』、『薬剤師の先生』、『医師』などの『医療従事者の方々』は、『コロナウィルス感染症』ばかりでなく、『インフルエンザウィルス』、『ノロウィルス』などの感染症の『感染リスク』が一般の方より高いです。職場が医療機関で、感染症の患者さんに接する機会が圧倒的に多いわけですから。

看護師さん』、『先生』は、咽頭の抗体価が高く、『インフルエンザウィルスに感染しにくい』という科学的根拠があります。だた、一般的には、感染者に接する機会が多いわけですから、空気感染するウィルス感染症の『感染リスク』は高いはずです。(『ノロィルス』は、吐瀉、排泄時、空気中にウィルス粒子が舞い、感染が拡大するので、空気感染に近い感染経路のようです。かつて、病院、ホテルなどで、感染者が嘔吐し、数百人規模の『ノロウィルス』集団発生報告が散発していました。)

問題は、『医療従事者の方々』が感染症に罹患した際や、感染が疑われる場合、職場である医療機関がどのように対応しているか?これまで、かなり曖昧でした。『コロナウィルス感染症』の拡大が契機となり、『クリニック』での対応が大きく分かれてきています。

たとえ軽い風邪症状でも『出勤停止』を命ずる『クリニック

この対策方法は、70歳以上の『院長先生』が経営している『クリニック』に多いように思います。数件しか知りませんが、風邪症状、鼻声だけでも『出勤停止』を命じています。

そもそも、このタイプの『クリニック』は、従業員さんが多いわけではなく、『クリニック』に通院している『かかりつけ患者さん』も少なく、1日20人程度の『かかりつけ患者さん』で経営されておられます。

誰でも『コロナウィルス』に感染したくないのは当たり前ですが、このような『クリニック』で『出勤停止』を命じている最大の理由は、『院長先生』が『コロナウィルス』感染に非常に敏感であるからのようです。確かに、70歳以上で持病があれば、『重症化』、『死亡』のリスクは高いですので分かる気もします。

経営に余裕があるのか?あるいは今までの貯蓄が十分なのか?不明ですが、鼻声、軽い風邪症状でも職員さんに『出勤停止』を命じている『クリニック』では、職員さんが『有給休暇』を消化して、足りない分は、満額のお給料を支払って休んでもらっている、とのことでした。

当然、『休業補償』(60%分の給与)以上の、『休んでも満額の給与』を支払っているので、職員さんと揉めることはありません。

ただ、このような『大盤振る舞いクリニック』は、『院長先生』がご高齢で、『かかりつけ患者さん』も少ないわけですから、閉院が近いのではないか?と勘繰ってしまいます。10年以上勤務を継続できるか、非常に疑問です。

発熱した場合や、感染症状は酷い場合に『出勤を控えてもらうクリニック

このタイプの『クリニック』が最も多い気がします。職員さんの体調が許す限り、出勤してもらっているケースが多いです。

クリニック』に勤務しているわけですから、職場によっては、『コロナウィルスの抗原検査』や、『PCR検査』を施行できますし、風邪薬、解熱剤、抗生剤などの処方も可能です。職員さんの体調、職員さんの要望を尋ねながらの対応が良いようです。原則は、『無理をさせてはいけない』ことだと思います。

ただ、発熱がなくても、咳、鼻水などの感染症状がある場合には、勤務中に他の職員さんに感染症をうつしてしまいます。『コロナウィルス感染症』でなくても、積極的に休んでもらう方が良いです。体調が悪い時に無理をしなくてよい職場は、『良い職場』ですから。

院長先生』が理由なく『出勤停止を命じてはいけないので、

出勤を控える明確な基準』を定める

1)発熱(37.5度以上)、2)咳、咽頭痛、鼻水などの感染症状、3)下痢、腹痛などの胃腸症状、4)体調不良、5)覚障害、嗅覚障害など、『コロナウィルス感染症』を疑う症状がある、6)家族に『コロナウィルス感染症』を疑う症状の者が居る、など。

明確に定めないと、職員さんが困りますし、揉める可能性があります。

クリニック』が最も警戒するのは、やはり、『クラスター

クラスター』は、起こそうと思っているわけではないですが、発生すると、患者さんの来院数は激減します。経営者の先生は、職員さんの健康を考え、かつ、『クラスター』を最大限、警戒しているはずです。

医療機関ではありませんが、自動車部品メーカーで発熱した社員さんが、『クリニック』で『コロナウィルスの抗原検査』を受け、『陽性』であったにも関わらず、その日の内に他の『クリニック』で再度、『コロナウィルスの抗原検査』を受けて『陰性』の結果を得て、会社に出勤して、問題になっていました。

幸い、『クラスター』は発生しませんでしたが、1件目の『クリニック』で『陽性』であり、『保健所』に連絡されているにも関わらず、『保健所』からの連絡を待てずに2件目の『クリニック』を受診し、出勤している始末でした。

1)2件目の『クリニック』に移動するまでに感染を拡大させる。

2)2件目の『クリニック』を受診した際、感染を拡大させたり、『濃厚接触者』を発生させる。

3)会社に出勤するまでの間、感染を拡大させる。

4)職場での『クラスター』発生の可能性。

5)感染者を多数、発生させて、重症者、死者を出す可能性まである。

6)会社の製造ラインが止まった場合、会社に重大な損害を与えてしまう。場合によっては、訴訟になる可能性もある。

クリニック』も全く同じです。『発熱』や『感染症状』を隠して出勤しても、感染拡大のリスク、『クラスター』のリスク、重症化や死亡者を発生させるリスク、最後に『クリニック』の経営悪化リスクまで引き起こします。医療機関ですと、一層、厳しく責任を追求されるでしょう。

非常に難しいですが、鼻声で『出勤停止』は過剰な気がしますが、疑わしい場合には、勤務を控えてもらった方が良いように思います。

コロナウィルス感染症で休んだ場合には、『休業補償』の必要は無い。

当院の理解ですので、専門家の意見を聞く必要があります。ただ、当院の顧問社会労務士の先生にも確認しました。

コロナウィルス感染症』に感染し、入院や自宅安静となった場合には、『休業補償』の必要は無い。

コロナウィルス感染症』ではなくとも、職員さんが『風邪症状』、『発熱』で休んだ場合には、『休業補償』の必要は無い。

有給休暇』を用いて休むのが妥当なのでしょうか?当院の医療事務さんは、『コロナウィルス感染症』に感染し、自宅療養していますが、『パート事務員さん』なので、『有給休暇』を使わなくても、出勤してないって扱いにしました。(この対応にも少し悩みます。後述しています。)

ただ、『正社員の職員さん』が『コロナウィルス感染症』で長期入院した場合も『休業補償』の必要はないのでしょうか?(通常の病欠と同じなので、『休業補償』は出ないですよね。。。)

当院は、『パート看護師さん』、『パート事務員さん』、『ママさん職員さん』が多いです。『小学校の学級閉鎖』、『幼稚園の休園』などで、小さなお子様を家に置いておくわけにいかず、勤務時間を短縮したり、休んだりせざるを得ない状況が生じています。

毎年、『パート看護師さん』、『パート事務員さん』は、『扶養範囲』の『年間:103万円以下』か、『年間:130万円以下』で頑張ってくれているので、『コロナウィルス感染症』が長引いて、勤務時間が短くなると、単純に収入が減るので問題ではないかな?って感じています。

当院の『パート看護師さん』、『パート事務員さん』は、『有給休暇』を上手に消化しながら、収入が落ちないようにされていますが、『有給休暇』を使い切ってしまうと、収入が減ってしまいます。

原則、職場の休暇には、『有給休暇』か『欠勤』しか無いという厳しい現実があるからです。

これって原則なので、100年に1度の『コロナウィルス感染症』なのですから、100年に1度の原則無視を行うべきじゃないか?って考えています。

コロナウィルス感染症』の職員さんに限り、『休業補償』を行う。

コロナウィルス感染症』の影響で、小さな子供さんのお世話をしないといけないので休まざるを得なかった『パート看護師さん』、『パート事務員さん』に限り、年後半、在宅ワークで給与をお支払いする。

当院は、この二つを考えていますが、幸い、現在まで『コロナウィルス感染症』の影響が深刻になっている職員さんは居られないので安堵しています。ただ、職員さんを経済的に不安にさせないように対応したいと考えています。(甘いのかもしれませんが。。。)